12月25日、大量に売れ残ったロンドンのクリスマスツリー

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イギリスのクリスマスツリーは、今でも本物の木が主流

11月後半ごろになると、街のあちこちに特設のクリスマスツリーの売り場が出現して、街を賑わせてくれます。

教会の中庭とか、空き地とかに大量の杉の木が運ばれてきて、ところせましと並べられ、その周りにはスギの香りがツーンと漂い、笑顔の家族連れがわいわいと集まってきて、これから近づいてくるクリスマスの楽しい雰囲気がもっとも感じられる場所です。

天然のツリーは形も大きさもさまざまで、綺麗な木が先に売れ、形の悪いのが売れ残る。

例年、クリスマスが近くにつれて、どんどん数が減っていき、数日前にはほぼすべてが売れてしまうので、「早くしないと、きれいなツリーがなくなっちゃう!」と毎年焦るのですが、今年は12月のロックダウンに伴って途中でお店の営業ができなくなってしまいました。

ツリー売り場、大量にツリーが余ったまロックダウンで閉店

というわけで、うちの近所の特設クリスマスツリー売り場も、大量にツリーが残ったまま店を閉じてしまいました。

ツリー屋さんも、予想外のことだったと思うので、そのことを思うと胸が痛いです。

イギリスが2020年の秋頃から計画していた予定では、11月中ロックダウンして、コロナの感染を最小限に抑える。

12月になったらクリスマスシーズンなので、ロックダウンを解除して経済をまわし、国民が家族で集まったり、帰省したりするのを許し、年に一度の最大のイベントであるクリスマスを楽しんでもらう。

クリスマスがおわったら、もう一度ロックダウンして、コロナ感染を最小限に抑える。

という、よく考えられた、完璧な警戒でした。

ちなみにフランスでも似たような措置がとられたようです。

ところが、11月に約1ヶ月間ロックダウンしたにもかかわらず、予想に反して感染者がほとんど減らず、ほぼ横ばい。

12月2日に解除すると、すごい勢いで感染者と死者が出てしまいました。

イギリスの完璧なプランも、予想外のコロナの動きで計画倒れに

クリスマスより人命が大事、ということで、ロックダウンが明けてから2週間ほどでもう一度ロックダウンして都市閉鎖。

それとほぼ同時に、ロンドンの警戒態勢は「レベル2 危険」から「レベル3 とても危険」に引き上げられました。

それから数日後に感染力が強力になった異変種のコロナウィルスがロンドンで発見され、ロンドンのコロナ危険度は最高レベルだった「レベル3」を突破し、もう一段高い「レベル4:まじでめっちゃヤバイ」という段階が新たに作られ、食料品や薬を扱う店以外はすべては閉店、ということになっています。

あらら、と驚いていたら、このことが世界中のトップニュースになっていてさらに驚きました。

クリスマスツリー屋さんに話をもどすと、きっと12月はロックダウンが開けるから、と、11月に注文し、大量にツリーを仕入れ、販売し始めた矢先に販売中止が決定、ということだと思います。

たぶん、イギリス政府はいままで通りちゃんと援助をしてくれるとは思いますが。。・

そういう私のお店も、12月14日からロックダウンがあるたびに閉めているので、コロナの打撃を受けている当事者は当事者なのですが、まあ、大変なのはみんないっしょです。

ニュースでは私たち飲食店がたいへんだー、たいへんだー、という情報をよく流してくれていますが、レストランが営業しないと、食材や紙ナプキンなどの消耗品を仕入れないので、仕入れ屋さんも大打撃です。

そしてもちろん商品を作ってしまった生産者さんたちも、売れなくなればどこかで精算をストップさせたりしないといけないし、倉庫に在庫を抱えないといけないし、生鮮食品なら廃棄したりせざるをえなくなります。

根っこはその奥の奥までつながっているのです。

イギリス政府は今、まさに自転車操業

従業員のお給料を出したり、税金を大幅に免除したり、助成金を出したり、銀行からの貸付の保証人になってくれたりする一方、確定申告を早くするようにとメールで何度も督促がきたり、ビザ申請の料金の値上げ、国際郵便の税金の回収が厳しくなるなど、普通に生活していても資金繰りに飛び回っている様子が伺えます。

政府の資金にも限りがあると思いますので、援助、援助でいつか首が回らなくなるはず。

ということで、とても微力ではありますが、私もお持ち帰りのお弁当を少しでも多く売って、政府に税金を治められるようにがんばります。

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