飲酒運転で現行犯逮捕されると、イギリスではこうなる

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もう6-7年前になりますが、飲酒運転の車の助手席に乗り、ロンドン警察に捕まったことがあります。

その日、自分のレストランで深夜遅くまでスタッフ数名と楽しくワインを飲み、深夜2時近くにお開きになって当時いっしょに住んでいたパートナーと帰宅することに。

自宅までは車で5分。

いちおう、最後の1時間ぐらいは酔い覚ましのためにお酒を飲むのをやめてもらって、彼はお水やジュースを飲んでいたのですが、見た感じまだちゃんと酔いが覚めていないのは明らかでした。

「やめとこうよ」「大丈夫だよ」「ほんとに大丈夫?」というちょっとした押し問答のあと、翌日が休みだったこともあり、気が緩んでいて、「まぁいっか」という感じで彼の運転する車の助手席に乗りこむ私。

車はいつもどおりブーンと走り出し、そんなに危ない感じはしなかったのですが、やはり酔っていたのか、彼の運転するトヨタカローラは、走り出して1-2分のところで赤信号を無視して右折したらしい。

すると、たまたまその場にいたパトカーが後ろからウワンウワンとサイレンを鳴らし、すごい勢いで追いかけてきた。

え?私たち??

違うよね?

私は信号無視には気がついていなかったのですが、お酒は飲んでいたので、焦って顔から血の気がひいていきました。

すぐ後ろに接近したパトカーに車を止めるように言われ、そこからは驚いている暇もなく、あれよあれよという間に彼は身長2mはありそうなイギリス人の白人警官二人に車を降りるように言われ、彼の後ろに回った警官にバンザイをさせられ、頭上にあがった手首に背後から手錠をかけられました。

1人はトランシーバーのようなものを顔に当て、本部に連絡を入れています。

まるで、3億円強奪事件の犯人逮捕の瞬間のよう。

自分のよく知る人が、でっかい外国人のお巡りさんに捕まり、抵抗しているわけでもないのに手錠をかけられるのは、震え上がるような光景でした。

彼は割と冷静で、自分に手錠をかけているまっ最中のそのおまわりさんに、

「え?今の、赤だった?青だったでしょ?」

とか、悪びれもなく質問していて、イギリス人おまわりさんは「オーマイ!真っ赤だったぜ!」と、呆れ顔で答えている。

「お酒飲んでる?」

「はい、少し飲みました」

彼は続けてアルコールの呼気テストをされ、クロだったので、パトカーに乗るように言われ、そのまま警察に連れていかれるはこびとなりました。

彼の現行犯逮捕が終了すると、そのでっかいイギリス人警官は、今度は私に「あなた、お酒飲んでる?」と質問。

「はい、ワインを2杯ぐらい飲んでます」と答えると、

「じゃあ、あなたは車には乗らないで、自力で帰って。」

ええっ!!!!

質問の主旨、ちがくない?!

私は車の免許は持っているんですが、下手くそすぎて運転は出来ないので、どっちみちするつもりはないんですが、時刻は夜中の2時。

人通りの全くない住宅地で、帰る方向がどっちかもよくわからないので、こんなところで置き去りにされるのは困ります。

「お巡りさん、私も連行してください!私もみんなといっしょに刑務所に行きたい!!!」

と、必死にお願いしたいのですが、「君は乗せてあげられないんだよ」と言われて、それはかなわず。

彼を逮捕したパトカーは、私以外の3人を乗せてブーンと行ってしまい、私は寝静まった深夜2時の路上にひとり置き去りにされました。

トヨタカローラは、どういう名目の駐車許可かはわかりませんが、路駐禁止のその場に置きっぱなしのまま。

真っ暗な逮捕現場で、背後と前方を何度も何度も見比べる私。

そして光が若干強く感じられた前方へ、号泣しながら歩き出しました。

目の前で彼が取り押さえられて手錠をかけられ、連れていかれてしまったショックと、帰り方のよくわからない道で深夜2時にいきなりおいてけぼりを喰らったショックで涙が止まりません。

当時の私はガラケー派でスマホのナビは持っておらず、静まり返った道はバスやタクシーが通る気配もない。

ヒックヒックとむせび泣きながら、なんであの時飲酒運転を止めなかったんだろうと、後悔、後悔の嵐でした。

まあ、少し歩いたら、なんだここだったのか。。。って感じで知っている道に出て、徒歩30分ほどで無事に家に着いたのですが。

それで、警察に連れていかれた彼は、その後、早朝5時ぐらいに家に帰ってきた。

数時間の間なにをやっていたのかと聞いたら、警察の待合室のようなところで、その日 飲酒運転をして捕まった他の7-8人のひとたちといっしょに、アルコールのレベルが下がるのを待ったあと、2度目の呼気テストをしてきたのだそうです。

時間の猶予が3時間ぐらいあって、その間に好きなだけお水を飲んだり、トイレに行ったりすることが許され、アルコールが下がったと自分で自信がついたころに、もう一度呼気テストを実施。

その時に基準値より下がっていたら「無罪」、下がらなかったら「有罪」なんだそうです。

なんだそれ・・?って感じですが。。。

そこでアウトな場合にのみ、免停とかのペナルティがつくんだとか。

彼の場合はセーフだったので、その場で釈放されたということです。

ロンドンのすべての警察で同じことをしているかどうかは知らないですが、彼が連れていかれたロンドン南西部の地元の警察ではそんな感じだったもよう。

ということで、前科がつくことも、免許に傷がつくこともなく、この事件は終わりました。

本当にショッキングな出来事でしたが、そうは言っても、あのまま運が悪ければ事故を起こしたり、人をひいてしまったりする危険が少なからずあったと思うので、そうならずによかったと思う。

飲酒運転を軽視した2人に、いましめの天罰がくだったのだと思います。

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