コロナの助成金、イギリスの場合
歌舞伎町の夜のお店に、34名もの機動隊が突入。斧で鍵を壊して中に入り、男性従業員6名を逮捕したとのこと。
ずいぶんものものしい騒動だなあとびっくりしてしまいました。
このお店の経営者は有名なキャバ嬢の桜井野の花さんという方で、謝罪動画が出ているというので見てみたら、まあ、かわいそう。
お店はコロナ直前にオープンし、すぐにコロナが来て、過去に2度行政指導が2階出ていたけれど、助成金を貰えるだけ全部もらったとしても全然足りないので、お金をもらわない代わりに、指導を無視して営業を続けたとのことです。
有名人だし、見せしめの意味もあったのでしょうか。
今イギリスはロックダウン中でうちのレストランは営業していませんが、従業員のお給料の8割を国が保証してくれますから、従業員の生活が成り立たなくて困ったり、コロナでお店が営業できないので従業員が離れてしまうということがまずありません。
申請はオンラインで毎月簡単にでき、申請から1週間ほどできっちりお店の銀行口座に振り込まれ、それを従業員の口座に雇い主から振り込むというやりかたです。
毎月申請するのはちょっと面倒ですが、スタッフはすごく助かっていると思います。
ロックダウンが開けたらすぐに同じメンバーで営業を再開できるので、すごくいいシステムだと思います。
お店が営業できない間は、国が一時金を出してくれます。
一時金はお店の規模によって3段階に別れており、私のお店は席数が35席ぐらいの、大きくも小さくもないローカルなお店で、真ん中の金額がもらえます。
真ん中の金額というのは、去年3月末ごろから7月中旬の場合で£25000だったので、日本円だと330万円、2020年の年末から2021年の2月にかけての一時金が£10000ぐらいなので、だいたい170万円ぐらいです。
ここに、年間1000万円ぐらいかかる固定資産税が免除になり、あとは、お持ち帰りやデリバリーの営業はしてもいいので、うちのお店の場合はオンラインで前日までに予約注文して、翌日に取りに来てもらう形にしています。
Uber Eatsなどはコロナ前は使っていたのですが、手数料が売り上げの35%かかるので、それだけだとやればやるほど赤字になるので、今は使っていません。
このやり方で、うちのようなもともと儲かっていたわけでもなく、ローカルなので、周りに住んでいる人がいて、比較的家賃が安いお店は十分やっていけます。
でも歌舞伎町は家賃も高いし、新装オープンしたばかりで、元手もかかっていて、選択肢がなかったのかなあ、と。
だからと言って行政指導を無視していいわけではないですが、自分がその立場だったらどうするのだろうと、とても気の毒に思ってしまいました。
日本はなかなか助成金が出ない印象がありますが、イギリスは助成金を出す一方で、めちゃめちゃ回収の方もがんばっています。
例えば郵便局の税金回収が厳しくなって、お金払わないと荷物が届かなくなったし、時短命令の規制を破った時には高額罰金のお達しがでているし、外国人へのビザ台の高騰、スーパーにはみたこともないほどすごい量のお酒が陳列されて、酒税からの回収を図っていることがみて取れます。

生活の中で見える部分もたくさんあるので、きっと見えない部分でもがんばっているのだと思う。
それに比べると日本の動きがとてもにぶいように感じてしまいます。
イギリスと日本って、今まで似た国なのかなと思っていましたが、ここに来てやってることが全然違うので、ちょっと驚いています。
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