食えたもんじゃないラーメン店が乱立するロンドンのラーメン店から、よりすぐりの5店を紹介

ロンドンには食えたもんじゃないラーメン店が乱立しているから、適当に入るとひどい目にあうよ。
- 金田屋
- とんこつ屋
- nanban (なんばん)
- 一風堂(トッテナムコートロード店)
- bone daddies(ボーンダディーズ)
第1位 金田屋(かなだや)
金田屋:ロンドンで一番おいしいラーメン店
ロンドンのラーメン、まだまだ伸び代はありますが、いまのところ一番美味しいのが金田屋だと思われます。
豚骨ラーメンです。
とりあえずロンドンの中で一番おいしいラーメンを食べたい方は金田屋へ。
ただ、金田屋は接客がかなり悪いので、接客悪いお店が苦手っていう方にはおすすめできません。
私はピカデリー店によく行くのですが、まじひどい。店員さんが目の前にいるのに注文を聞かれない。本当に30分とか来なかった。
あと、忙しすぎて店員の機嫌悪くてちょっと八つ当たり気味に接客されたこともあります。
人気店だとそれでもお客さんが入ってくれるので、接客は二の次なのかな?

グルメ猫

でも金田屋はおいしいからロンドンでラーメン食べたいみんなにおすすめだよ。

お気に入りメニューは「油そば」だけど、少食のもずくでも量が少なくておかないっぱいにならないから餃子や唐揚げを追加しているよ。
第2位 とんこつ屋(なんでんかんでん社長のTwitter騒動があったお店)
とんこつ屋:ボリュームたっぷりのバラ肉チャーシューと接客のすばらしさ
ここは2020年にできたわりと新しいお店です。
なんでんかんでん騒動とは?
日本の有名なラーメン店「なんでんかんでん」の名物社長さんがTwitterで「ロンドンのラーメン店に勝手に名前やロゴを使われて困っている」と呟いた騒動です。
なにがあったんだろうと調べてみたところ、まったく知らない人が勝手に使ったということではないみたいでした。
内情は、こういうことみたいです。
この社長さんとロンドンで人気の有名日本食店をいくつも持っているオーナーさんが、「いっしょにこのラーメン店をやろう!」としたが、開店する前に破談になり、日本食店のオーナーさんはそのまま開業準備をすすめ、なんでんかんでんの社長さんが「やめてくれ」と言ったみたいな。
言った言わないは本人同士にしかわからないのでどっちが間違っているとかは私にはわからないですが、お互いに言い分があるようです。
それで、その後このお店は「なんでんかんでん」から「とんこつ屋」に名前を変え、看板も作り変えた上でオープンしたもよう。

何度か食べてみましたが、まだオープンしたばかりなので、おいしいことはおいしいのですが、日によって味にばらつきはあります。
開店したばかりで味が安定しないのは、どの世界のどの飲食店でもありえることで、ロンドンで私が食べたほとんどのラーメン店で同じことがありました。
これは自然現象で、このお店が特別よくないというわけではありません。
でも、味にばらつきがあることを差し引いても、ロンドンの平均レベルは超えているおいしさです。少なからず「なんでんかんでん」の社長さんの息がかかっているんだな、と思えました。
あと、このお店のいいところは、ロンドンにはめずらしいほど接客がすべらしいところ。
「お飲み物はどうされますか?」と言われた時に、「少し待ってください」というと、「ではお水をどうぞ」と、持ってきてくれたり。
すごく気持ちがいいので「また来ようかな?」って気持ちになります。

味もまあまあいいけど、接客がめちゃくちゃいいからボーナスポイントをつけたよ!
あと、他のお店よりチャーシューが厚くて満足度◎
ただ、今後どう変わっていくかはわかりません。
現状で接客がよくない金田屋だって、最初はあんなにひどくなかったんです。
今後を見守っていきたいと思います。
ちなみにロンドンには「とんこつ」の名前のついたラーメン屋さんがたーくさんありますが、この記事はボンドストリートのTonkotsu-Yaについて書いています。
第3位 一風堂(トッテナムコートロード本店)
一風堂:日本の人気ラーメンがロンドンで食べられるのはありがたい
言わずと知れた一風堂です。王道の博多豚骨ラーメンです。
正直にいうと、私は豚骨ラーメンのファンではないのですが、ロンドンにある美味しいラーメン屋さんはほとんどが豚骨ラーメンなので、他のラーメンを食べるという選択肢があまりなく、豚骨ラーメンにいきつく部分があります。

でもまあ、ラーメン食べたい!と思った時に、おいしいラーメンがなかった以前に比べると、一風堂がいつもそこにいてくれるというのは大変ありがたいことです。

安定の一風堂がロンドンで食べられるようになったなんて、夢のようだニャ!
IPPUDOロンドン本店( Central Saint Giles店)
第4位 なんばん
なんばん:テレビで優勝した人気のイギリス人シェフがつくるラーメンの味
なんばんは、ロンドン中心部からはちょっとはずれた「ブリクストン」という地区にあります。
このお店の創業者は、日本で言えば「TVチャンピオン」のような、シェフの料理の腕を競う番組で優勝したイギリス人の人気シェフです。そのシェフが開業した日本食のお店、という立ち位置なので、イギリス人にとても人気があります。
なので、ラーメン専門店ではなく「イギリス人向けの日本食レストランっぽいお店」の中にラーメンがあるという感じ。
ここのラーメン、もちろん日本のめちゃくちゃ美味しいラーメンに比べれば味は落ちますが、私は結構好きでなんども食べに行ってます。
でも、このレストランをあまり好きじゃない日本人も多く、「あの店好き」って言うと、「え?」ってなることもあります。
ちょっと話がずれますが、
ブリクストンという街は東京で言えば「上野のアメ横」みたいな、商店街の並ぶ雑多な下町です。

昼間はブリクストンで遊んで、最後になんばんでシメのラーメンを食べるのが飼い主のパターンだよ。
飼い主のお気に入りは「レオパードラーメン」で、ほぼそれしか食べてないよ!
私は上野や御徒町や浅草界隈の街並みが大好きなので、ブリクストンにはよく遊びに行きます。
「ポップブリクストン」という屋台村もあります。ここの角っこにあるチキンバーガー専門屋台のチキンバーガーがめちゃくちゃおいしいので、もしブリクストンに来たらぜひ食べて欲しいです。
ブリクストンは安くておいしい個人店が多く、かわいい雑貨屋さんやハムやチーズなどのこだわり専門店も多いので、ロンドンの下町を楽しみたい方にはめっちゃおすすめです。
第5位 ボーンダディーズ
日本では決して味わえないラーメンを食べて、ロンドンの思い出作りを
ボーンダディーズはラーメン専門店ですが、「あれはラーメンじゃない!」と受け付けない日本人が多いのも事実。
でも先入観をとっぱらってよーく味わってみると、食べたことがない珍しい味ってだけで、けっこうおいしいと思います。
創業はロンドンにラーメンブームの起こった2012年ごろで、作ったのはロンドンのミシュラン星付きの日本食レストランなどでシェフをしていた若い男性シェフの二人組。
なんというか、本人たちも言っていますが、日本人の求めるラーメンらしいラーメンを追求した味ではなく、日本人では思いつかない、すごく独創的でオリジナリティのあるラーメンです。
たとえば、そうですね、味噌あじのコーンポタージュに、ラーメンの麺入れちゃった、みたいな。

ラーメン食べたい!」っていう日本人としての基本的欲求は満たしてくれないかもしれませんが、どんなものか食べてみたい、っていう人におすすめです!
「
でもシェフの実力が実力なので、しっかり作り込まれた味です。初めて行った時、からあげがすごくおいしくてびっくりした。
ただこれが日本のラーメンかって言われちゃうと、違うよ、って感じ。
日本人の枠から外れた、海外の一流シェフの創作ラーメンを食べて、話題作りにっていう人には絶対おすすめのラーメンです。
ロンドンのラーメンの値段の相場について
さてさて、気になるラーメンのお値段ですが、2020年現在、イギリスのラーメンの相場は1杯1500円ぐらいです。
ここに餃子とビールをつけるとしたら、2500円ぐらいにはなります。
あと、イギリスにはサービスチャージが(チップ)が最初からお会計に加算されていることが多いので、ラーメン一杯に2000円ぐらいの予算をみておいた方がいいと思います。
日本の相場を考えると「たっっか!!」となるとは思いますが、そもそもロンドンは東京よりほとんどの物価が高いのと、しょうゆやみりんなどの材料がすべて輸入品になることもあり、そこそこよい材料を使っていれば、どうしても材料費は高くなりますし、よいシェフがいれば人件費もかかります。
ラーメン一杯に2000円なんて信じられない、となってしまう気持ちもよくわかりますが、ロンドンで飲食店を営む私が考えると、妥当な値段だと思います。
今はなき私のナンバーワン「ラーメン佐助」に思いをはせる
ラーメン佐助は、2012年のラーメンブームでラーメン店がロンドンにボコボコできた時に新しくできたお店です。
とんこつラーメンが多い中、このお店だけは太麺を出していました。
2012年にロンドンラーメンブームを巻き起こしたラーメン店は「一点張」というお店です。大阪の人気店らしいです。
その一点張りでノウハウを学んだオーナーさんがその次にオープンさせた、まったくタイプのラーメン店が「ラーメン佐助(さすけ)」でした。
私は地元が喜多方ラーメンの喜多方に近いので、太麺が大好きです。

まだロンドンに美味しいラーメンがひとつもなかったラーメン佐助の開店当時、ロンドンではありえなかったクオリティの高さにびっくりして、このラーメン店は誰が始めたんだろうとお店を見渡して店主の顔を探したほどです。(なかなかイケメンの男性でした)
佐助のラーメンはどのラーメンを食べてもおいしく、独創性があって大好きだったのですが、転々と移転をくりかえし、いつのまにかなくなってしまいます。
最終的にはテムズ川沿いのビルの中に入ったのですが、ビルのオーナーさんの以降で「ラーメンでなく寿司をやれ」ということになったらしく、ラーメン佐助は2018年ごろに寿司屋に変わってしまいました。
まあ、最後の場所はほんとにわかりにくかったので、あんなところに移転しちゃダメだよ、わかりにくいよ、と思っています。
店主を知っているという業者さんなどを通じて復活を叫んでいますが、大人の事情でそうもいかないのでしょう、ラーメン佐助は2020年現在、ロンドンから姿を消したままです。
2020年版 ロンドンのラーメン事情 まとめ
ということで、以前に比べるとロンドンには美味しいラーメンが増え、「ラーメンが食べたい」という欲求をみたしてくれることになりました。大変ありがたいことです。
でも、ひとつ要求を満たせばその上に行きたくなるもので、「まじでおいしい完璧な一店」というのはないし、日本のラーメン屋さんのように「いつ行っても安定した味が楽しめる」わけでもなく「いつもはおいしいあのお店も、今日は若干外れだった」、ということも多いのです。

ちなみに今回のランキングには人気店の「昇竜」が入っていません。
入れるかどうか迷ったんですが、昇竜はほんと味のばらつきが多いので、今回はやめときました。
めっちゃくちゃおいしいこともあるんですが(でも正直ピークは2014年だったと思う)、なんじゃこりゃ?ってなることも多々あります。
また店員さんがメニューの内容を把握していなかったり、粉だらけで加熱不足の揚げ物が出てきたりで、なかなか品質が安定しないのが現状です。
ということで、ロンドンはまだ、めちゃくちゃおいしいラーメンがはずれなく食べられる状態には手が届いていない感じ。
2012年のラーメンブーム到来からだいぶ経ってますが、もうこのぐらいがイギリスの限界なのかな、と感じています。

ロンドンのラーメン、まだまだおいしくなれるよ!
今後に期待しよう!

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