コロナ警戒レベル最上級の上をいくロンドン
昨日12月19日、ロンドンの警戒レベルは今までの最高レベル「レベル3」のその上の「レベル4」になりました。
「レベル4」というのはいままでなくて、レベル1から3まででした。
それぞれのレベルは、
レベル1 普通
レベル2 ヤバイ
レベル3 マジでヤバイ
というもので、ロンドンは先週、レベル2からレベル3に引き上げられたばかりでした。
2020年12月2日に約1ヶ月のロックダウンを終了したところ、あまりにも急激に感染が広がったので、急遽「レベル4 マジでめっちゃヤバイやつ!!!」というのを新しくつくり、さらにレベルをワンランクアップしたのです。
政府がずっと温めてきた「クリスマスプラン」がなしに。。。
これにより、政府が秋頃から温めてきた「クリスマスの計画」が、ロンドンではできなくなりました。
政府の「クリスマスの計画」というのは、クリスマス前の11月にロックダウンをし、12月になったら解除して国民がクリスマスを祝い、経済をまわし、クリスマスが終わったらもう一度ロックダウンをしてコロナの感染拡大を最小限に抑える、というものです。
クリスマスというのは、日本で言えば日本で言えば「年末年始」のような、1年間で一番大きなイベントです。
典型的なイギリス人はクリスマスに家族と集まり、家族全員分のプレゼントを全員が用意してクリスマ交換し、食事をして楽しみます。
そのため、イギリス中の消費の多くがクリスマスシーズンに集まるという説もあり、この間に国民にドカンと消費をしてもらって、イギリス政府がコロナ援助で失った莫大な国のお金を回収しなければいけませんでした。
それが、12月2日にロックダウンを開けたところ、「コロナ感染が鬼拡大」したため、2週間もしないうちにロンドンはレベル2の「ヤバイ」からレベル3の「マジでヤバイ」になり、本来「レベル2」なら12月2日から次のロックダウンが始まる12月28日までの1ヶ月は、レストランやお店が営業し、みんなが買い物やパーティーをしてほぼ普通の生活ができていたところを、その期間が12月23日から27日までの5日間にぎゅっとしぼられました。
それ以外の期間は、レストランなど店内で食事ができるサービスは閉鎖され、食べ物や薬など日常生活に必要不可欠なお店以外は開けてはいけないことになります。
ところが、感染拡大を受けて、政府は昨日の12月19日、その期間を5日間でなく「12月25日の1日のみ」に変更しました。
さらにロンドンはイギリスでは前代未聞の「レベル4」に引き上げられたため、その1日すらナシになったのでした。
イギリスのリーダーシップ、すごい
昨日、このことについて説明するイギリス首相のボリス・ジョンソンのスピーチがテレビやYouTubeで生中継されました。
この中で、ボリスさんは、コロナウイルスが予想をはるかに上回って感染拡大したため、クリスマス期間の規制を強くしなればならないことを語っています。
「そのためにクリスマス期間をひとりで過ごさなければならない人たちの孤独感は相当なものであることを理解しているが・・・」とした上で、この感染拡大がいかに危険で、大切な人たちの命を奪うこととクリスマスを楽しむことは引き換えにすることはできない、今年のクリスマスのお祝いをしないことは、来年やその先にあるクリスマスを楽しむチャンスが増えるのだ、と切実に訴え、とても心が打たれました。
このスピーチの後に、表やグラフを使った説明や、質疑応答などもされました。
「今、まさに荷物をまとめて、今夜家族のもとに帰ろうとしている人はどうすればいいんですか?」
というような質問に、
「まとめた荷物を開けて、もとに戻さなければなりません」
などと答えます。
内容がとても具体的で、どのような行動をとればいいかよくわかる内容です。
決断し、説明し、曖昧にせず、国をまとめるイギリス政府の力はすごい。
このロックダウンは最善の方法なのだ、と思える説得力があります。
昨日のスピーチでますますボリスジョンソンが好きになりました。
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