昨日のお店の開店前のこと。
客席の掃除をしてくれていたゆりちゃん(29歳)が、キッチンで準備をしていた私のところに来て、こう言いました。
不審者あらわる
「もずくさん、さっき男の人がガラスをどんどん叩いて、お客さんかな、と思ってドアを開けたら、私の個人の電話番号を聞かれました。日本語を勉強しているから友達になりたいって。村上春樹の本を手に持っていて」
「!!!ゆりちゃん教えたの?」
「いえ、今日携帯を忘れたから番号わからないって言ったら、メールアドレスは?って聞かれて、メールもわからないって言いました」
「絶対に教えちゃダメだよ!準備中にドアをたたいて連絡先聞いてくる時点でおかしい人だから!知ってる人?お客さん?!」
「いや、見たことない人なんですけど、もずくさんのことを知っていて・・・もずくはどうしていると聞かれましたよ。もずくさんの知り合いじゃないんですか?ジャックさんだと言ってましたけど。。。」
「!!!!ジャックなんて一人も知らない。前にここに勤めてた大学生のジャックじゃないでしょう?
「違う人です。」
「私の名前は近所のひとが知っててもおかしくないから。それで、どうしたの?」
「instagramだったら教えてもいいけど、今はわからないって言って教えませんでした」
「インスタグラムも教えちゃダメ!まだいる?💢」
「いや、もう帰りました」
私はその後、ゆりちゃんに、何度聞かれても絶対に自分の電話番号や連絡先を教えないようにと、約5分間に渡って説教をしました。
断るときは、はっきりノーと言うこと!!
インスタグラムを教えてもいいって言った時点で、その人「脈あり」と思っているから。
絶対にまた戻ってくるから。
勤務時間外にお店の近くで待ち伏せされたりしても、私、責任取れないから。
どんなにしつこく聞かれても、絶対に!!!教えちゃダメだよ!
そんな人に、失礼も何もないから。
ノーって言うんだよ!
なにかあったらすぐに私を呼んで!!!
と、もう開店間近でお客さんが入ってきちゃうって言う時間なのに、まるで小さい子に「知らない人についてっちゃダメ」って教えるみたいに、何度も何度も念を押していいました。
「どんな人だった?若い人?」
「いえ、おじさんです」
戻ってきたジャック
「もずくさん、あの人がまた来ました」
早!!
さっきの説教から5分後のことです。
いつか戻ってくるとは思っていたけど、そんな早く戻ってきます?
「’Are you happy to contact with me?’(私と連絡とるの嫌じゃないですか)って聞かれたので、’No’(嫌です)って言いました。」
笑笑。
よろしい。😊
たった一言、ちゃんとノーが言えれば、回避される問題というのは外国では多いと思います。
「空気読め」は海外では日本の100倍通じません。
これでもうたぶんジャックはゆりちゃんに言い寄って来ないと思うので、とりあえずほっとしました。
ジャックは私の知り合いだった
そうこうしているうちに、私はジャックを思い出しました。
すっかり忘れていたけど、あのジャックだ。
1年前ぐらいにうちのお店の敷地に勝手に車を停めていた車があったので、その辺にいる人に手当たり次第に「この車誰のか知りませんか?」って聞いて回ったことがありました。
その中の一人がジャックでした。
そして数ヶ月後、去年の9月ごろ、そのことはすっかり忘れていて、店の前をウロウロしている人がいたので、お客さんかな、と思って見ていたら目があって、自分のことを覚えているか、と言われ、自己紹介をされ、携帯の番号を聞かれました。
私の携帯は仕事の連絡用に使っているので、取引先の業者さんや、デリバリーのドライバーさんなどみんな知っています。請求書などの書類にも勝手に載っちゃってます。
「別に教えてもいいけど、何もありませんよ」と言って教えたら、教えた5秒後からどうでもいい内容のショートメールが立て続けに3-4件来て、その後一度も返信してないのに1日に何回も連絡が来たので「あ、この変な人だ」と認定し、完全に無視していました。
そうやって1ヶ月ぐらいずっと無視していたら、ジャック、うちの私有地だってわかっているくせに、お店の裏に自分の車を毎日のように停めるようになったのです。
かまってちゃんか。。。
話したくないので、「ここに停めないでください」とフロントガラスにガムテームで張り紙をしたのですが、それでも無断駐車は止まらず。
何回目かに「写真を撮って警察に通報します」と車に張り紙をしたら、車を停めなくなりました。
その人の名前がジャックだったことはすっかり忘れていた。
日本人を好む外国人「ジャパ専」とは
イギリス人男性には日本人の女性を好む人がいて「ジャパ専(ジャパセン)」と呼ばれています。
日本のアニメや日本食が好きだったり、はっきりものをいうイギリス人女性が苦手だったりするらしいです。
今回おそらくジャパ専のジャックが、うちのお店に日本人がいるということに目をつけ、うちのスタッフに声をかけてきてたのだと思います。
やめてほしい。
うちのお店はイギリスでは少数派の日本人経営の日本食レストランで、日本人スタッフを中心に雇っているので、ここの近所では日本人がいるレアなスポットではあります。
しかしあなたと日本人との出会いの場ではない。
だいたいあなたはうちで食事したことすらないじゃないですか。
お客さんでもないくせして、仕事中のうちの子たちに話しかけやがって💢
と、苦情がいいたくなったので、「うちの店でやらないでください。日本人女性と出会いたいなら、マッチングアプリでやってください。」とジャックに怒りのショートメールでも送ろうかと思いました。
でも、いや、待てよ。
おそらくあの熱量だったら、ジャックは既にマッチングアプリをもう散々やっているはずです。
ところが、アプリをいくらやっても一向に日本人女性とマッチングしないので、わざわざうちの店に出向いて、準備中のドアをドンドン叩いて「力技で」日本人女性と出逢おうとしているに違いない。
ちょっと感覚のずれた人なので、変に接触すると、どのような反応を起こすか予想がつきません。
ということで、苦情を言ったことで面倒なことに発展しても困るので、今のところは何もせずにそっとしておくことにしました。
日本人女性、怖い顔でノーと言おう
あとね、日本人女性の一般的な断り方は、外国人男性に対しては曖昧すぎると思います。
「携帯を忘れたから番号がわからない」という断り方だと、「はっきりノーというのが失礼だから、マイルドな表現で遠回しに断った」などと、客観的に判断してはもらえません。
「明日携帯を持ってきた時、番号を教えてもらえる❤️」と都合よく解釈されてしまいます。
だから戻ってきてまた話しかけるのです。
そして、のちのち、実は携帯を持っているのに教えなかった、ということに気づかれたらアラ大変!
「携帯番号を教えてくれる約束だったのに言わない!あの日本人は俺に色目を使って騙しやがった!」などと話が大きくスライドし、逆上して危険なことになる可能性大です。
だから、トラブルの芽が最も小さいうちに、しっかりと根っこまで抜いてしまうことが大切なのです。
かわいそうだから、悪いからと、中途半端に愛想笑いをしてはいけません。
こういうタイプの人は、少しでも笑うと「僕に気がある」とジャッジします。
全くその気がないときは「すみませんが、まったく興味ありません(Sorry but I’m not interested at all !)」と「怖い顔」または「真顔」ではっきり言いましょう。
必ず言葉で伝えるのが大事。
しつこくされて嫌な思いをするのは自分です。
イギリスでは、きちんと断ればトラブルから逃れるケースが大幅アップ。
しっかり「ノー!」という断り方を身につけて、できる限り自分で自分の身を守り、海外で安全に楽しく過ごしましょう。
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