ネットカジノで短期間に全財産を失う方法|私の知人編

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「助けてください」

そう言われたのは2017年の6月ごろだったと思います。

ワーホリでイギリスに来ていた私の職場の男性従業員がネットカジノにはまり、コツコツ貯めた£4000(4000ポンド=60-70万円)の貯金を数日間で全部使ってしまったのです。

その1年ほど前、貯金を全くしていないという30歳の彼に、私は「貯金はした方がいいよぅ!」と勧めました。

それまで貯金をしたことがなかったと言う彼は、その言葉をきっかけに、毎月節約してバリバリと貯金を頑張るようになり、10ヶ月ほどでその金額を貯めたようです。

順調に貯めていた経過を私は知らなくて、£4000貯金できたところで、「どや!」とサプライズで知らせてくれたのでした。

私も「わあ、よく頑張ったねえ!」という感じで思いっきり褒めてあげて、彼はそれまでできないと思っていた貯金ができる!と自信がついたようで、とても嬉しそうでした。

そんな大事なお金を・・・

たった数日間のギャンブルで全額使い切ってしまうなんて、誰が予想できたでしょう?

仕事の息抜きだったカジノ

2017年当時、仕事が終ったあと、よく職場の仲間でカジノに行っていた時期がありました。

私の仕事は飲食店なので、終わるのが夜の11時ごろになります。

定休日の前日になると、「さあ!遊ぶぞ!」と言う雰囲気で、「カジノ行く?」となり、ロンドン中心部の行きつけのカジノに出向いて何時間も遊ぶことが月に1回ぐらいありました。

カジノは、ギャンブルですが、日本のパチンコ店とは違って雰囲気がゴージャスです。

素敵なバーカウンターがあり、おしゃれなカクテルが格安で出てきて、ちょっとした食事もできます。

そして24時間営業。

カジノの収入源は飲食ではないので、飲み物や食べ物の値段は割安で、ゆったり座れるソファや大画面のスクリーンがあり、そういう豪華な施設が、飲食物をオーダーしなくてもすべて無料で使え、何時間滞在しても居心地が悪くなりません。

トイレも豪華で清潔です。

そんな私のカジノの遊び方は、「もずく式ちょびちょび法」。

カジノに使うお金は一回遊びに行ったら£5か£10まで(800-1600円ぐらい)までと決めていて、もし負けてしまってなくなってもそれ以上は使いません。

賭けるときは一回に50円とか、100円とかちょびちょびかけます。

少しずつ増えてきて、手持ちの金額が元の2倍になったら、賭ける金額も2倍にして200円ぐらいずつ賭けるようにします。

元の金額が2倍になるまでは、2時間ぐらいはかかると思います。

つまり、少額でめちゃくちゃ長い時間遊べます。

元手が2倍になったあとは、2倍の金額(200円とか)を賭けるので、同じ金額を増やすのに半分の時間で済みます。

そうやって計画的に遊んでいると、ほとんどの場合、5-6時間で£5が£50(800円が8000円とか)ぐらいになります。

£5がもし全部なくなったらその日はそれでやめますが、ルーレットで確率の高いところしか賭けていないのに全部お金がなくなるというのは、たぶん10回行っても2回ぐらいで、ほとんどの場合は増えます。

ということで、カジノは友達とゴージャスな空間の中、格安で食べて、遊んで、おしゃべりして、お小遣いまで増やせて、私にとっては理想的な遊び場でした。

でも、ギャンブルにハマってしまう人は、カジノは絶対に行ってはいけません。

カジノには、あなたとはもう行かない

ということで、時々こうして遊んでいたカジノですが、何度か行っていると、一定数、カジノにハマってお金を失う人が、私の想像よりも多く存在することに気づきました。

そういう人は、勘に頼っていちかばちかでバーンと賭けて、お金が一気になくなります。

そうなると、それを取り戻そうとまたお金を使って賭けます。

そんなことを続けていたらお金がどんどんなくなるのは当たり前なのですが、当の本人はそれに気づきません。

それに、続けるうちに大きく当たってお金がバーンと増える瞬間が確かにあるのです。

ここが怖いところです。

最初に1万円を使って、例えば2万円まで増えたとします。

それが、遊んでいるうちにゼロになってしまいます。

そうすると、どうしても最初の1万円を取り戻したくなるので、もう一万円を使って、もう一度賭けます。

うまく行って1万円が戻り、差し引きゼロになります。

客観的には、せっかく戻せたのだからここで止めればいいのですが、賭け事が好きなタイプの人は、ここでは止まりません。

さっき2万円まで行っていたので、またそこまで戻ろうとします。

差し引きゼロになった時点で手元に持っている2万円を全部使い、マイナス2万円になります。

そうすると、マイナス2万円を取り戻そうと、もう1万円をATMで引き出して、マイナス3万円に。。。

規模は違いますが、これを繰り返して100億円を使い込んでしまったのが大王製紙の元社長さんです。

なぜカジノに100億円も使えるのか本を読むまでは不思議でしたが、社長さんの場合は、会社のお金を使い込んでいたので、どうしてもお金を戻す必要があり、何度もカジノに足を運んでしまったようです。

詳しくはこちら→。熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録

私の職場の従業員の男性も、同じような感じでした。

手元のお金がなくなると、カジノ施設の中にある銀行のATMで何度でもお金を引き出してまた賭けます。

ダメだと言っても、もう、止まらないのです。

そして、怖いのは、繰り返しますが、何度かに一回、ドカンと当たってお金が戻る瞬間があるというところです。

さっきはマイナスだったのに、今プラス5万円!とか。

危ないな、と思いました。

これは危険すぎると感じたので、「あなたとはもうカジノに行かない」宣言をして、彼に危ないから1人でも他の人ともカジノへは行かないように、と厳重注意しました。

彼もその言葉に納得し、十分に反省しているように見えました。

でも結局はそれが、さらに危ないネットカジノへの入り口になってしまいました。

知らない間にネットカジノに手を染めていた

「もずくさん、助けてください」

彼が私にそう言ってきたのは、カジノ禁止令から1ヶ月ほど経った時のことだったと思います。

なんのことか事情を聞くと、カジノでお金が全部なくなってしまった、というのです。

「カジノは行ってないよね?」

「ネットカジノを登録してしまって・・・」

私はこの時初めて、オンラインカジノの存在を知りました。

オンラインカジノの怖いところは、カジノに行かなくても、スマホがあればいつでもカジノで遊べるところです。

彼がアカウントを作ったネットカジノは、イギリス大手チェーンのカジノのものでした。ロンドンの実店舗と直結していて、リアルタイムでカジノができます。

つまり、実際に会場で行われているカジノとネットが繋がっていて、実際に出た数字がリアルタイムでネット共有されるシステムです。

ネットショッピングのサイト同様、銀行のカードなどを登録しておいて、簡単に入金することができます。危ないので、一部のセキュリティの高いクレジットカードなどは、カジノサイトには登録できないようになっているようです。

イギリスのクレジットカードについて書いた記事はこちら→本当は怖い、イギリスのクレジットカード

彼の使ったオンラインカジノにはインチキや詐欺の要素はなく、勝ってお金がプラスになれば、ちゃんと指定の銀行口座にお金を振り込んでくれます。そこに嘘はありません。

しかし、お金の入金処理がされるのは、ネット上で払いもどしの申請をしてから3日後。ここがミソです。

払い戻しをしてもすぐには処理されず、3日間は「仮」のような状態になっているので、いつでも申請をキャンセルして使える状態に戻せるのです。

カジノ好きの人は、この待っている3日の間に、またネットカジノをやりたくなってしまい、翌日振り込み申請をキャンセルし、入金予定だったお金で遊んでしまいます。

こうして彼は、数日の間に、10ヶ月かけて貯めたお金を、全額カジノに使ってしまったのでした。

彼はとても後悔をして、2度とやらないようにとアカウントを消しましたが、使ってしまったお金はもう戻ってきません。

どんなに後悔しても、時すでに遅しなのです。

ギャンブル好きは絶対にカジノをやってはいけない

ということです。

実は、同じようなことをした女性をもう1人知っています。

彼女は私と出会った時にはもうお金がなかったので、ロンドンでカジノにはまることは無かったですが、その前にワーキングホリデーでオーストラリアにいて、やはり100万円単位でお金を失ったと言っていました。

飲食店で長時間労働をし、稼いだお金を全部カジノに注ぎ込んだそうです。

私の「ちょびちょび法」では、ドカンと勝つことはできませんが、時間をかければ高い確率で徐々にお金を増やすことができます。

でも、お金がなくて困っている彼女に、そのやり方で少しずつ増やすやり方を教えてあげても、彼女はそれをやりません。

いくら言っても、確率が高くなる時まで待てず、有り金を全部使って、一瞬で無くしてしまうのです。

そのやり方だと、確かにたまにすごく当たって、「やったーーーー!!!すごいーーー!」となる大興奮の瞬間があるのですが、総合的にみると必ずお金が全部なくなります。

勝っても、勝ったお金を増やそうとしてまた使うので、最後には必ず全部なくなるのです。

だから、ギャンブル好きな人は、絶対にカジノをやってはいけません。

カジノは日本では違法です。(2022年5月現在)

カジノに手を出すのは、賭け事にそんなにハマらない人だけにしましょう。

終わり。

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